幸せ? (映画「ソラニン」について) | GREEN DAYS ~緑色な日々~

幸せ? (映画「ソラニン」について)

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ソラニン、南大沢の映画館、朝一の回。

客、カップル1組+自分。のみ。

うっ。

昨日のカップルだらけも嫌気が差したが、これはこれで。
しかし、ほぼ映画館独占で超快適。


「超面白い」とか「素晴らしい映画でした」とか、
そういう感覚の物語でもないし、
「衝撃受けました」とか「感動しました」とか、
そんな気持ちが浮かび上がってくるような感じでもない。


原作を初めて読んだときはまだ大学生で、
ある意味ソラニンの世界や種田に憧れを持っていたわけだ。
かわいい彼女がいて、好きな音楽ができて。
種田って超幸せ者じゃないですか。と。

時は経ち、大学卒業後1年たちまして、
今まさに、この人達と全く同じ時間軸に生きていて
おまけに芽以子さんよろしく、自分も仕事を辞めてしまった身。
(超ウルトラ決定的に違うのは、自分には同棲相手がいないとこ。笑)

「世間にさからってやる」とか
「あんな大人にはなりたくない」とか
種田や芽以子さんが思ってる事って、自分の気持ちと恐いくらいシンクロするわけで。

「まだまだ若いから好きにしな」っていう希望と
「もうそんな悠長な事言ってらんないよ」っていう焦りが
毎日毎日心の中をぐるぐる掻き乱していくわけです。


ーーーー以下、ネタバレあるっすーーーー

賛否両論あるけど、原作を読んで受けた印象が強すぎるっていうのもあるし、
ストーリーもそのままなんだけど、
こと「音楽」が重要な鍵を握る物語だけあって、
紙の上では表せない部分、音やライブシーンが実際に表現されて、目と耳で感じられたのは良かった。
特に近藤さんのベース。
芸能界広しといえど、あれほど加藤役がハマるのはおそらく近藤さん以外はいないでしょう。


多摩川のシーンだったり、芽似子の部屋、スタジオ、ライブハウス。
実際に自分の身の回りにもあるだろう光景が、わざとらしくなく自然に映っていたし。
(撮影許可が下りなかったのか、小田急線じゃなくて京王線だったのは残念。
いにお作品において小田急線って結構重要なピースなんだけどね)


キャストは凄く良かったんだけど、
いにおの書く言葉って、役者が口に出すと、ちょっとわざとらしくなっちゃうというか
あまりにも言葉が自然体すぎて「セリフ」にしちゃうといまいちだなって感じがしました。

あと、モノローグ。
いにおのマンガってセリフじゃなくて、モノローグに大事な言葉が含まれてたりするんだけど
それがちょこちょこカットされてて、あれ?っていう感じに。
まあ、それを感じたかったら原作読めって事ですね。


残念だったのは、笑いの要素が少なすぎたところ。
種田と芽以子さんの何気ない会話の中だったり、
加藤とビリーの超アホやりとりはもちろん、
細かい部分で、結構笑いを誘う箇所があるんだけど、それが全く無かったな。
種田役も、もうちょいコミカルにやってほしかった。

あとは・・・
「俺サミット」と
「芽似子に肉まん届けた帰りにビリーがバイクでこけるシーン」が無くてガッカリ。

「俺サミット」は種田の心の中の葛藤を表現する上では、
欠かせない部分なんだけどね。
特に、「性欲種田」の「芽以子さんって基本的にマグロだよね」がツボだったのですが。

サバ川もあの子じゃかわいすぎだ。


全体的に、やっぱり原作で表現されてる部分
特に、種田や芽以子の心の中の言葉だったり、結構重要なピースが欠けていたりするので
「原作>>>>>映画」ってなっちゃうんだけども、
それでも、あの世界観や空気感は映像化することで
より身近になったというか、目と耳で感じられるようになったことは、本当に良かったと思う。

あと10回くらい観たいっす。



あと、これだけは言える。
仕事辞めてから見て本当に良かった。と。

自分の性格上こんなん見た翌日に仕事だったら、
それこそ種田みたいに仕事中に発狂しちゃいますわ。




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帰りに通った、南大沢の並木道。



「その痛みは芽を出すためにある」

果たして、芽は出るのでしょうか。




♪脳内BGM
ソラニン/ASIAN KANG-FU GENERATION

ごっちが種田役やって
えっちゃんが芽以子さん役やれば、完璧だったと思う。